原一のメディア招待・公開尾行訓練の参加レポート

公開尾行訓練の参加レポート

原一探偵事務所は、メディアを招待して公開尾行訓練を実施してきました。

 

新人の訓練を兼ねて業界外部の人間に尾行(する側&される側)を体験してもらう企画です。

 

他社で同様のことをやっている例は聞いたことがありません。

 

原一の社内でも最初は「企業秘密を公開してどうするのか?!」と反対意見があったそうです。

 

当サイト管理人も2回参加したことがあるので、内容をレポートします。

 

基本的なやりかた

 

1.参加者は無線で探偵の通信を傍受

業務無線端末

【業務無線端末】

 

原一さんでは、探偵の通信は警察と同様、業務無線を使用します。

 

スマホでは発信と受信で通話が開通しますが、このひと手間が出遅れにつながります。

 

地方での調査中に圏外というのも困ります。

 

そこで、高価な機材ではあるが、いつでも通信が可能な業務無線を使っているわけです。

 

メディア参加者は無線を1台渡され、イヤホンを装着します。

 

自分で発信はできず、探偵チーム内の通話内容を傍受するだけです。

 

追われている役の時は、自分を尾行している探偵チームの通話を聞きます。

 

自分を追う人間たちの会話を聞きながら追われるという奇妙な体験(笑)をするわけです。

 

逆に尾行する側の時は、尾行チームの探偵の一人に同行しながら通話を聞きます。

 

2.ナビゲーターの探偵が随行・解説

イベントのナビ役の探偵(左)

【イベントのナビ役の探偵(左)】

 

メディア参加者には解説者役の探偵がつきます。

 

探偵の通信は暗号・隠語を多用するので、聞いていても意味がわからないことがよくあります。

 

それを同じ無線を聞いているナビゲーターが必要に応じて解説し、探偵チーム全体の動きを教えてくれます。

 

その合間に、その時の状況にふさわしいトピックを取り上げて、いろいろなワンポイント知識を教えてくれます。

 

例えば、尾行される立場でショッピングモールを歩いている時なら、次のような感じです。

 

ナビゲーターがくれるワンポイント知識
  • 尾行対象が何かのショップに入った場合、探偵は真っ先に出口の数を確認する。いつの間にか店を出られて見失うのを防ぐためだ。
  • 探偵は買い物の内容にも注意して観察する。対象が飲み物を2つ買った場合、もうすぐ合流するということだ。

 

3.追われる側と追う側の双方を体験

このイベントは途中で区切りをつけて、状況設定を切り替えます。

 

徒歩尾行で追われる側の場合

自分とナビゲーターの探偵が並んで歩くのを、探偵チームが尾行・撮影します。

 

自分の様子について探偵が話すのを聞くのは奇妙な体験です。

 

「立ち止まってキョロキョロしている」「再び歩き出した。広場に向かっている」・・・といった具合。

 

しかし、見回してみても探偵の姿は見えません。

 

車両尾行で追われる側の場合

ナビゲーターの探偵が運転する車の助手席に乗り込みます。

 

新人探偵の車と教官の車のチームがそれを追尾します。

 

自分たちを追う探偵としかり飛ばす鬼教官の会話が無線で聞こえます。

 

ナビゲーターはそういう会話や後方の追尾車の動きを解説してくれます。

 

車両尾行で追う側の場合

探偵2人が不倫カップル役になって車に乗り、それをチームで追います。

 

ナビゲーターの探偵が追尾チームに加わり、車を運転します。

 

メディア参加者はその車の助手席に乗り、無線を聞きながら追尾を体験できます。

 

ナビゲーターは無線の内容や、対象車との距離の取り方、尾行と悟らせないテクニックなどについて解説してくれます。

 

4.新人探偵をチームに加え、経路の詳細は教えない

尾行する探偵にはキャリアの浅い人間を加えておきます。

 

そして事前に教えるのは目的地だけで、途中の経路は教えません。

 

1回目の時の新人探偵2名

【1回目の時の新人探偵2名】

 

 

これにより、途中でいろいろなハプニングや失敗も起き、解説ポイントが増えます。

 

ベテラン探偵のみによる完璧な追尾より、参加者にとって面白いものになります。

 

探偵社側にとっては新人訓練にもなります。

 

5.後で写真をくれる

イベント終了後に、自分が追われる立場をやっていた時に撮られた写真をくれます。

 

2回目の時の正面写真

【2回目の時の正面写真】

 

無線で探偵の会話は聞こえていたけど、見回しても姿を見つけることはできなかった。

 

相手とイベント開始前に会っていて、顔を知ってるにもかかわらずです。

 

なのに、正面からの写真をこんなにたくさん撮られていた・・・

 

その時、メディア参加者はプロの技術に感服します。

 

当サイト管理人の私もそうでした。

通算2回の参加内容の要約

1回目 車両尾行とショッピングモール内徒歩尾行

1回目の時の写真(中央が私)

【1回目の時の写真(中央が私)】

 

1回目は春の雨模様の日でした。

 

徒歩尾行と車両尾行の全体像がわかるような内容でやってもらえました。

 

車両尾行で追われる側からスタート

埼玉県川越市の本社周辺にある広い駐車場にメンバーが集合。

 

ナビゲーター探偵の運転する車に同乗し、新人探偵の車に追われる役からスタートしました。

 

さて、車両尾行では、真後ろに近距離でつけるのはNGです。

 

ナンバープレートも車内の様子も全部見えるので、バレやすいからです。

 

しかし、対象車を運転する探偵は、そうならざるを得ないようにもっていき、新人探偵がこっぴどく叱られます。

 

そうして追われながら、追う側の注意事項やノウハウをいろいろ教えてもらいました。

 

我々の車はショッピングモールの駐車場に入りました。

 

引き続き追われる側でモール内徒歩尾行へ移行

車を停めて、ナビゲーター探偵とともにショッピングモールの中を歩いて移動します。

 

尾行チームは無線で連絡を取り合いながら、私たちを追います。

 

自分の一挙手一投足が報告されるのを無線で聞くのは、興味深い体験です。

 

しかし、いくら周囲を見回して探しても探偵の姿を見つけることはできませんでした。

 

歩きながら、ナビゲーターの探偵は商業施設内の尾行についてワンポイント知識を教えてくれました。

 

ここでの時間を終えると追う側も追われる側も集合し、状況設定をリセットしました。

 

車で追う側へ移行

ここからは不倫カップル役の探偵の車を追うチームの一員です。

 

ナビゲーター探偵の運転する車の助手席に乗り込みます。

 

車両尾行は1台で間近で追うと短時間でバレます。

 

それで様々な偽装テクニックで近くで追う役割を交代しながら、連携して追っていくわけです。

 

ここでは車によるチーム尾行のテクニックを実演してもらいました。

 

最後はターゲット車に続いてラブホテルに入ります。

 

ホテルで出待ちして写真を撮るのはどこの探偵社でもやります。

 

しかし、ホテル入りの部屋を選んでいるシーンを撮ってこれる探偵社は稀です。

 

どうやってやるのかとかねてから疑問に思っていましたが、この時に実演で教えてもらえました。

 

イベント終了

メニューが全部完了したら全員集合して終了。

 

後日送られてきた画像ファイルには、私の鮮明な正面写真がたくさん入っていました。

 

 

2回目 電車と新幹線で移動する対象の尾行

2回目の時の写真

【2回目の時の写真】

 

2回目は良く晴れた初夏の日でした。

 

徒歩でスタート

新宿のホテルから徒歩でスタートして、電車移動の対象の尾行を中心とするメニューになっていました。

 

駅について電車に乗るまでの間にも興味深いワンポイント知識の解説がありました。

  • 対象者はエスカレーターを登り切った時、降りきった時にふりかえることが多い。だから対象者の後ろについてエスカレーターに乗ってはいけない。

 

電車で移動

山の手線で東京駅に向かいます。

 

普段の尾行では探偵の通信は無線が主役ですが、電車の中では他の乗客がいるので使いにくいです。

 

そこでLINEをはじめとするスマホ通信が大いに活用されることを知りました。

 

電車の中で撮影することは少ないですが、怪しまれたり、見失ったりしないためにいろいろなコツがあります。

 

東京駅到着。

 

新幹線で移動

ナビゲーター探偵の誘導のもと、我々は新幹線の切符売り場に向かいました。

 

行き先は埼玉県川越市の原一本社でしたが、我々は新幹線を使いました。

 

尾行対象が新幹線を使う時、どう対応するのかを私に見せるためです。

 

行き先を特定する方法、特定できなかった時の対処法などを教えてもらいました。

 

新幹線に乗り込んでからも、乗車中の監視方法や到着先の手配など、いろいろ教えてもらいました。

 

電車で移動

新幹線を降りた後は電車移動ですが、駅でコーディネーターから面白い提案がありました。

 

「好きに動いてみてください」と言うのです。

 

私は走って逃げてみました。

 

無線の会話で私の様子が把握されているのがわかります。

 

しかし、視界の範囲に他に走っている人はいませんでした。

 

チームで監視しているとはいえ、走る対象を誰も走らずにどうやって見続けているのか?

 

それとも見えないところで誰かが走っているのか?

 

いずれにしろ、素人がプロの探偵を巻くのは容易なことではないなと思い知った時間でした。

 

イベント終了・昼食

川越市駅に到着して尾行を終了、全員集合して昼食を取りました。

 

この時も後から送られてきた画像には、私の正面写真がたくさん入っていました。